SRC施工について
SRC施工は掘進機の頭出しが出来ないという条件を克服するために開発されました。従来の施工手法では到達箇所への頭出しは議論の余地なく必要とされてきました。
しかし、本工法では頭出しが出来ない条件を逆に「施工手法のひとつ」として機材開発に至り、推進掘削、到達部嵌合、簡易山留機能を持った複合型特殊カッターとして「 サポートリングカッター・SRC 」を誕生させました。
これからますます都市部での地下活用が増えると予想され、SRC施工を必要とする場面が多くなることが想定されます。
SRC施工のメリット
課題①
既設シールド側からのアプローチが困難である。
SRC施工によりすべてを同時に解決!
SRCでの外部接続、掘進機の内部解体機構により、高水圧下においても安全な到達を実現させた。
課題②
メタンガスを溶存された地下水が既設シールド側へ漏水することは防がなければならない。
SRC施工によりすべてを同時に解決!
推進側からほぼ全ての到達作業を行うことで、既設シールド側への地下水の流入などを防止した。
課題③
高水圧下での安全性を考慮。
SRC施工によりすべてを同時に解決!
最小削孔径での接続により、接続時の安全性を極限まで高めることに成功した。
SRC施工 解決事例WORKS
解決事例 – 1
φ1650㎜通常型掘進機
Φ1650㎜SRC搭載型掘進機のカッター
SRC搭載型掘進機は通常型掘進機を改造して製作します
サポートリングカッター搭載機による施工の提案!
外見では幅広のカッターリングが特徴的ですが、構造上もっとも改良を加えたのはギアボックスとカッターシャフト周りになります。
解決事例 – 2
SRC搭載掘進機が既設シールドへ直接到達します。
既設シールドは内径φ5000㎜、壁厚は500㎜です。
サポートリングカッター(SRC) で直接既設シールド外壁(鋼製セグメント+2次覆工)を切込みます。
切込み量は左右で220㎜、上下で50㎜です。
外壁内部にて推進作業を停止するため既設シールド側への地山の流入を防止することができました。
サポートリングカッター(SRC) で外壁そのものを切り抜くことは行いません。
しかし、到達部で頭出しをしない(させない)ことがSRC施工の最大の特徴であり利点となります。
解決事例 – 3
SRC到達では止水器としてテールストップF(TSF)を併用して使用する事ができます。
掘進機胴体に搭載された特殊型止水器です。
TSF展開前は到達嵌合部に対しテールボイドを伝わった泥水圧力が掛かっています。
掘進機の到達時、TSFの展開羽を拡張します。
テールボイド後方からの泥水圧力を受けて拡張し地盤改良体と密着、止水効果を発揮します。
SRCとTSFを組み合わせる手法により坑口設置時のコア抜き径が約2050㎜必要なところ1750㎜にて施工が可能となりました。
頭出しをあえて行わないSRC施工により既設シールドへの負担を最小限にとどめ、高水圧下による漏水を防止する事ができました。